サイダス の 吉田真吾(@yoshidashingo)です。
このたびコーポレートサイトのリニューアルに合わせて、サイダス社の技術本部のメンバーによるテックブログを公開しました。
サイダス社における技術者の位置付けについて
サイダスは2011年に人材育成・評価分野の有識者が集まって、現在も代表取締役である松田が起業した会社です。2011年からVPS上で、2012年末くらいにAWSに基盤を移行してB2B SaaSを提供しています。
サイダスにおける技術本部の位置付けは、大きく2つあります。1つめは「すべての働く人がよりよい働きがいを得られる製品機能」を「最適なアーキテクチャで素早くデリバリー」し、「安定して心地よく利用していただく」という事業に対する技術的な貢献ですが、2つめには「徹底的に自分の働きかたにこだわる」という側面です。
事業に対する技術的な貢献
現在技術本部のチーム構成は以下のようになっています。
Center of Excellence(CoE)チーム
- ITアーキテクト
PdMチーム
- PdMスタッフ (企画)
- プロダクトデザイナー
- プロダクトオーナー
開発チーム
スクラム手法によるアジャイル開発チームが複数稼働していますが、昨年までと違い、PdM&デザイン部分も各チームで担う形を模索しています。
SRE/Productivityチーム
人数が少ないため兼任していますが、SREと情シスを担っているチームです。
チーム構成のポイントとしては、何を作るべきか(What)とどう作るか(How)のバランス、また運用保守ではなく永続的に進化していくための仕組みが備わったチーム構成を指向しています。
徹底的に自分の働きかたにこだわる
特に社内で働きかた含めてあらゆる理論の実践における実験場でありたいと考え、OKRによる目標管理、月イチの1on1、リモートワーク、自己組織化などを技術本部のみで実施している施策があります。
OKR
スクラム手法によるアジャイル開発に慣れてくると、PBIをよりよくチームでこなしてソフトウェアをデリバリーするという方向性においてはある程度満足できるのですが、会社や本部で真にフォーカスしたい尖った方向性に対して、企画〜開発でその輪郭を削り出すような力は生まれないんですね。なので大きい方向性に対して尖らす推進力が欲しいなというモチベーションで開始したのがOKRです。ちなみにすべての活動の最上位概念としてOKRを位置付けています。
今のところ、大半の時間は「本当にフォーカスべき目標の決定とKR(主要な結果:数値目標)」の設定と「個人のOKRの達成が組織のOKRの達成になるための合算量的なリバランス、アラインメント調整」です。ここがうまくできないと実際にうまくいきません。また、アンチパターンとして数値で表せない目標しか設定できないといった場面がありえますが、これを承認してKRで期日管理してもおそらく大半うまくいきません。数値目標に徹底的にこだわりましょう。
月イチの1on1
組織がフラットなので技術本部長である私と全員がそれぞれやる形ですが、毎月必ず1回以上開催することを死守しています。アジェンダは決めてあるので、それに沿って毎月各自からトピックを引き出しています。
現在のところ1on1は本当に強力で、自分では取りかかれないけどきっと改善したら嬉しいとみんなが考えている内容や、取り掛かりかたにモヤモヤ迷っていたことについて整理して自走し始めてくれたり、私に言いにくくてわだかまってたことなどを話してカタルシスを得たりなど効果がとても高いです。
毎回30分でやってるのでタイムマネジメントとすべてのトピックの聞き出しが大変なんですが、昔取得した産業カウンセラーとしての能力が役立ってるように感じます。
上司として1on1をしなければいけなくなった場合は「アジェンダ」を用意し、「タイムボックスを固定(タイムマネジメント)」し、「コーチングやカウンセリングの技術(特に傾聴)を鍛えたうえで」実施するとうまく回るようになるでしょう。
リモートワーク
現在、東京/大阪/沖縄すべての拠点で1/3程度の技術部メンバーがリモートワークしています。子育てなどの家庭事情もあれば、チームのワーキングアグリーメントで働きやすさを重視してということもありますが、特に条件なくやらせています。また先週は別の事業部でインフルエンザが発生していたため、技術部全員リモートワークにしました。
チームメンバーが隣にいたほうが生産性が高い仕事も時にありますが、集中タイムの確保なども考慮すると、SlackとZoomがあればもはや好きな働きかたを選んでもなんの支障もない状況です。
自己組織化
基本的に私が「あなたが担当している分野については業務命令や意思決定はしない(形式的にすることはあるけど)」と宣言しているので、リーダーシップ原則に基づいて主体的に取り組んでもらってます。その代わり「誰かにアドバイスは必ずもらうこと」としています。
意思決定に必要な情報がもっとも集まっている現場において判断したほうがよいという考えと、正しい意思決定を行うために必要な情報が不足している可能性を当事者では気づけない場合があるためアドバイザリプロセスを入れることで情報量や多面性などを確保するためです。
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※自己組織化は正しい呼び方ではないかもしれない
CTOとしての8ヶ月について
就任してから8ヶ月経過してますが、まだまだマーケットにインパクト与える結果を出せてないのが実感なので、とくに私はCTOである前に「取締役」つまり経営者であるので、しっかりと社会にインパクトを与えていけるように頑張りたいと思います。
そういえばマネージャーのトリセツも公開しています。
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採用について
サイダス技術本部では今年も積極的に採用を行なっていきます。既存の社員の働きがいを高めてリファラルを強化するという点と、イベント登壇やここのような場所での発信を通じて、みなさまがサイダスで働いてみたいなと興味を持ってもらえるように頑張ります。
それでは